2013年10月25日

支倉常長についていつた家康の密偵

本小説は徳川家康によつてメキシコに派遣された京都商人、田中勝助と、キリシタン大名に火薬と交換に売られた日本人女性よねを母として、スペイン人宣教師を父とするマリアと、帰国後にイエズス会を脱会した元天正少年使節団正使の息子、山形アルベルトの三人が中心となつた、十七紀初めのスペイン帝国のを舞台にした歴史小説である。

インドのゴアで、或るイエズス会司教が内緒の商売で儲けた金で、美しい日本人奴隷よねを買つた。

よねはアントニオとマリア兄妹を生んだ。

アントニオとマリアはゴアで幸せな子供時代を過ごし、スペインのトレードで成長する。

父亡き後、アントニオが行方不明になり、マリアとよねは苦境に陥るが、たまたまトレードを訪問してきた 田中勝助とアルベルトに救われ、セビリヤに移り住むことになる。

田中は天下統一後にマニラ攻撃をも考慮する家康に命じられて、支倉常長訪欧使節団に同行していた。

田中の極秘任務はスペイン王室のアジアへの関心度を探るスパイ活動であつた。

子供の頃からスペイン語と武芸の特訓を受けていたアルベルトは、父親の親友である田中の通訳と警護役を引き受け、永住目的でスペインに来ていた。

黄金時代のセビリヤで三人は各々小さな幸せを見つけるが、其れも束の間、三人は日本とスペインの歴史的因果関係に巻き込まれてく。

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